「むかブロ?」140日連続更新企画
自作小説を連載しています
温かい目で読んでください
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心菜
「何これ」
「私もよくわかんない」
光輔は二十秒ほど紙を見つめる。
「……た、い、い、く、そ、う、こ。ああ、体育倉庫か」
「ええ!?」
光輔はあっという間に暗号を解いた。
「タッチ、合ってる?」
私が聞くとタッチはうなずく。
「え?なんで?なんで体育倉庫なの?」
「『上を向いて歩こう』ってやつがヒントでしょ?だから、それぞれのひらがなの一つ上を読むの。例えば「ち」だったら「た」。」
光輔はいとも簡単に解き、解説してくれた。なるほど、それで「ちううけたえさ」のひとつ上が「たいいくそうこ」になるのか。
「すごいね、光輔」
「全然。こんなのよくある暗号だよ」
光輔は笑いながら答える。
「ありがと。じゃあ一緒に体育倉庫行こ?」
「ええ?」
強引に誘って私と光輔は体育倉庫へ向かう。うしろをタッチも着いてくる。
体育倉庫の扉を開けると倉庫には似つかわない白い箱が置いてあった。
私は箱のフタをゆっくりと開ける。中にはキャンディーが一個入っていた。
「これだけ?」
「これだけ」
タッチが後ろから答える。
「え、これなんなの?」
光輔が私とタッチ両方に聞く。暗号を解いて宝探しをするゲームなのは分かる。だけど、これで何がしたいのかは私も分からなかった。
「泉がさ、いっつも一人で寂しそうだから、新しい部活でも始めようかなって」
「部活?」
「部活?」
私と光輔がハモる。
「『暗号部』。顧問は俺。毎週月曜日に暗号を泉に出題する。それを泉が解く」
タッチはしたり顔で宣言するかのように言う。
「部活って言っても入部届はいらない。ルールもない。どう?入部する?」
私の答えは決まっていた。
「する!」
私の声が体育倉庫に響いた。
あんまり深く考えず答えたが、別にいいや。暗号部。なんだかワクワクするし、たぶん楽しい。入る以外の選択肢は無かった。
私は勢いで隣の光輔にも聞く。
「光輔も入るよね?」
「はあ?」
今度は光輔の声が響く。
「俺は陸上部がある」
「いいじゃん。兼部しよ!」
「…………」
私は光輔の手をつかみ、上へあげる。同時に私のもう片方の手もあげる。
「二人入部します!」
「よし」
「おい!」
結局、私と光輔は「暗号部」に入部することになった。
つづく
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【「明日何しようかな」あらすじ】
大阪にあるド田舎な村「百白(ひゃくしろ)村」
学年は全体で三人しかおらず光輔、景子、心菜は腐れ縁の仲だった
二○一○年三月
中学卒業を間近に控えた三人は記念にタイムカプセルを埋めようと企画する……
【登場人物】
・福山光輔(ふくやま・こうすけ)
男性
百白中学校三年生
・佐々木景子(ささき・けいこ)
女性
百白中学校三年生
・泉心菜(いずみ・ここな)
女性
百白中学校三年生
・上杉史也(うえすぎ・ふみや)
男性
百白中学校の先生。通称「タッチ」
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ややこしくて申し訳ないのですが、正式には「むか」はひらがなで「ブロ」はカタカナです
#明日何しようかな もつけてもらえると大変喜びます
このブログへのリンクが貼ってあるツイートを引用リツイートしてもらえると感無量です
・ちょっと嬉しいやり方
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